「ボッチプレイヤーの冒険 〜最強みたいだけど、意味無いよなぁ〜」
第18話

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ボウドアの村編
<受け入れ準備>


 時間は少しさかのぼる

 ここはイングウェンザー城地下1階層の製作作業区画にある執務室
 地下5階層や6階層とは違って豪華さはあまりなく、どちらかと言うと企業の応接室のような作りの部屋の中に置いてあるソファーセットに机を挟んで上座にアルフィン、下座にメルヴァとギャリソンがそれぞれ腰掛けていた

 「しかし凄い量ね」

 机の上には色々な資料が書かれているであろう羊皮紙の束が積み上がっている
 現実世界では各自の手元にタブレット一枚あれば済むものだけど、現実に会議に必要な情報をすべて書類として書き出したらこうなるんだよと言う見本のようだね

 経験した事がない人にとっては見ただけで気が滅入る様な光景なんだろうけど、私は仕事柄このような資料が大量に用意される会議(今の時代、書類と言うものはデーター化出来ないほど機密性の高い物以外はほとんど存在しないから紙の束を見る機会はあまり無いけどね)を色々な企業の担当者との打ち合わせでこなして来たのでなれたものである

 「さて、それでは始めましょうか」
 「はい、アルフィン様」

 シャイナたちを見送った後、メルヴァとギャリソン相手に最初に取り掛かった作業はイングウェンザー城の人員配置などを決める会議
 ここでは特に無駄に多いメイドをどうするかと言う話がメインだ

 メルヴァたちが言うには私に作られた子たちはみな、私たちに仕えることを最大の喜びとしているそうな
 そこですべての子が常に仕事を欲しているらしいんだけどこの城、確かに広いけどそれにしてもすべての子に仕事を与えるにはメイドの数が多すぎるんだよなぁ

 と言うのも

 「(アニメや漫画、ゲームや小説で気に入ったキャラが出てきたらとりあえず作っていたからなぁ)」

 ボッチギルドであることをいい事に、気に入ったキャラがいたらとりあえずメイドキャラとして作っていたんだよね
 しっかり数えていないから解らないけど、この城を手に入れから1年に16人前後作っていたから140人以上いるんじゃないかなぁ?
 レベルもそのキャラを再現するためにスキルを持たせる事が多かったから、一番数が多い一般メイドなどのような5レベル前後の子から、数は少ないけどメイド部隊の幹部クラスになっている50レベル前後の子までいるほど幅が広い

 「交代制で休みを取らせるとかできないの?」
 「休みなど誰も取りませんし、取りたがりません」

 私たちの常識からするととても驚いたことに、彼女たちは本当に休みを取りたがらないのだそうな
 メルヴァ曰く、”働く事が我等の存在理由!”とまで考えているのが主流みたい
 こんな子達ばかりならどんなブラック企業でもやっていけそうだなんて不謹慎な想像までしてしまうよ

 「もし食事無用、疲労無効のマジックアイテムをいただければ寝る暇も食事をする暇もなく働けると大喜びすると思います」
 「まじですか・・・」

 仕事人間ここに極めりって所ね
 そう言えば私のデザイン事務所の営業にもいたなぁ、常に走り回って「新しいお客さんを捕まえたからデザインを考えてください!」っていつも言ってくるやつが
 そんなにポンポン新しいデザインは出ないっての

 まぁ、ゲーム内で考えたものでも意外と商品として通用したから何とかなってはいたんだけど

 「(調子に乗ってアンティーク調家具シリーズとしてALUFIN'Sってのを作って出したら思ったより売れたんだよねぇ)」

 こっそりユグドラシルでも同じ名前、同じデザインで誓いの金槌ブランドで売っていたけど、あれも宣伝になっていたのかなぁ?
 まぁ、このゲームをやっている層が買うような価格帯ではなかったけどね

 あっそう言えば私のデザイン家具をかなり気に入ってくれている人たちもいたなぁ、他の職人が派手なものばかり作る中でこのシリーズは落ち着いた感じがいいって

 「あのぉ〜アルフィン様、御聞きになられていますでしょうか?」
 「あっ、うん、聞いてるよ」

 いけない、いけない、会議に集中しないと・・・
 それにしても休みを取りたくないと言うほど働きたいと言われても、そもそもその働く場所がないのが問題よね

 「メイドの能力しか持っていない子達はメイドしかできないからなぁ。とりあえず全員接客と料理はできるんだよね?」
 「はい、メイドとしての技能と最低限の料理は全員マスターしています」
 「なら一部調理場に回せないの?」

 技能があるのならメイドの仕事にこだわらなくてもいいはずだ

 「それが、調理場もこの城の食事をする者たちの人数に比べてかなり多いのです」
 「ああそうか、お客様をお迎えするために料理人も多く作ったんだっけ」

 それに伴って、配膳係をしていたメイドたちも仕事がなくなっているという状況だ
 う〜ん、だからと言ってまだ右も左も解らないこの世界で店を開くわけにも行かないしなぁ

 物作りの技術を持たないメイドたちでは地下1階層の生産部にまわしても何できないだろう
 ん? 待てよ、生産部も止めているからここもに仕事にあぶれているNPC達が居ると言う事じゃないか?

 「頭痛いなぁ」
 「あっアルフィン様! 大丈夫ですか!?」
 「メルヴァさん、早急に医療班の編成を!」

 私がつぶやいた一言に劇的に反応して顔色を変える二人
 メルヴァはとたんに涙目になってこちらに身を乗り出すし、ギャリソンはギャリソンでいつもの落ち着いた物腰はどこへやら、扉前に控えているメイドにベットの用意をするように指示まで出す始末だ

 「いやいや、そういう意味じゃないから。本当に頭痛がするわけじゃないからね」

 とりあえず安心するようにと二人に言い聞かせ、メイドにもベットの用意は必要ないとギャリソンの指示を訂正する

 う〜ん、ただの比喩なのになぁ
 この子達は常に私たちの事を第一に考えていると言うのは頭では理解してはいるんだけどまさかここまでとは
 ホント下手な事とは言えないなぁ

 しかしメルヴァだけならともかく、まさか頭のいいギャリソンまでこんなに慌てふためくなんて・・・ ねぇ

 「と、とにかく会議を続けよう」
 「はい、アルフィン様」
 「取り乱してしまい、申し訳ありませんでした」

 流石にここまでの流れで比喩だった事を理解し、少々ばつの悪そうな二人だけど、それには触れないのが大人の対応だよね

 さて、でも本当にどうするかなぁ?
 地下4階層にある田畑とか家畜の世話、森の管理や川や海から魚介類を取る子達は今のままで増員する必要ないし、地下2階層の冷蔵庫区画の管理や特殊な家畜の世話にいたっては寒さ無効を持った特殊な子達しかできないからなぁ

 「とりあえず不満は出るだろうけどなんとか交代に休みを取らせるように指示を出して、その上でちゃんと全員に何かしら仕事が回るよう、二人で話し合って配置を考えて。流石にこれはすぐに決められることじゃないし、この他にもこの地に転移したことによる問題点がいくつか出てくるだろうから、その一つ一つを時間をかけて考えて行こうよ」
 「解りました」

 先送りにしただけではあるけど、とりあえず配置問題は終了
 正直私が考えるより、メルヴァやギャリソンが配置を考えた方がうまく行くだろうと言う打算もあるからの先送りではあるけどね

 その後、城のこまごまとした事を決めた頃、あやめとあいしゃが帰ってきた

 「おかえり、何かいい方法思いついた?」
 「とりあえず作り方自体はよく解ったんだけど」
 「ご本にのってるのって、機械を使って作るやりかたばっかりなんだよね」

 まぁ、当たり前か
 いくら蔵書の数が多いと言っても、機械が開発される前の製造法なんて特殊なものが書いてある本までは流石に置いてないだろうからなぁ

 「でも形はしっかりイメージできたんでしょ?なら、試作品として<クリエイト/創造>で作ってみたら?現物が目の前にあればまたいいアイデアが浮かぶかも知れないし」
 「色々考えていても先に進まないし、そうしようか」
 「うん、そうだね」

 私の提案に納得するあやめとあいしゃ
 魔法で作ると言ってもまさかここで作る訳にも行かないので、とりあえずああでもない、こうでもないと意見を言い合いながら、足回り以外はすでに出来上がっている馬車の置き場まで移動する

 そこには丈夫な樫やマホガニーを使って車体を製作し、その上から漆を何度も塗り重ねて蝋色をかけ、最後に細かな彫刻と貴金属によって豪華に飾られた黒く輝く大きな馬車の胴体部分が鎮座していた
 その姿はメルヴァが意見と指示を出し、我がギルド”誓いの金槌”が誇る自慢の生産系NPCたちが作り上げただけの事はあって、かなり見事なものだ

 「中ももう出来上がっているんだよね?」
 「はい、車輪部分さえ取り付ければいつでも使用できるようにすでに仕上げてあります」

 メルヴァに確認を取ってから観音開きの扉を開いてみると、外観と違い木目を基調としたシックな作りの壁と赤色のサテン生地で作られたソファー、窓にはシルクのカーテンが掛かっており、床にはやわらかそうな茶色を基調とした柄物の絨毯が敷き詰められていて、かなり居心地のよさそうな空間となっていた

 「ホント良くできてるなぁ。メルヴァ、かなり張り切ったみたいだね」
 「ありがとうございます」

 長時間移動に使うとなると外見のように派手なつくりでは落ち着かないからね
 その点、これはよく考えて作られている

 「それに大きくて立派だ。これなら10人は楽に乗れそうだね」
 「ちょっと大きく作りすぎのような気もするけど、城塞都市の支配者が乗る馬車だからね」

 そう言いながら、馬車の大きさを確かめるとあやめは魔法の詠唱を始めた
 銃なども生産する武器鍛冶のあいしゃの方が機械関係の物を作るのには向いているのかと思ったけど、意外な事にこのような工程はどうやら防具鍛冶のあやめの方がよく理解できるそうだ

 「よし、上出来」

 呪文を唱え終わると馬車の足回りはあっさりと完成した
 うん、ちゃんと構造が理解できていると言うのは確かなようだね
 そうでなければ魔法はうまく発動しないはずだから

 で、出来上がったものを見るとそれは4輪馬車の足回り部分全体だった
 開発時はそれぞれ別に作ってそれを組み合わせるという方法を取るはずだったけど、流石に魔法で作るのだからサスペンションとかベアリングだけを別々に作るのではなく、すべてを一気に創造したみたいだね

 「ねぇ、折角作ったんだし、これで馬車第一号を組んで走らせてみようよ。走らせてみないと問題点は見えてこないし、ここからの研究はそれを踏まえてしたらどう?」
 「そうだね」

 私の提案に納得してあやめとあいしゃは作業場のNPCたちと一緒に作業を開始した
 当初はけっこう時間が掛かるという話だったけど、最初から足回りをすべて一緒に作ったから完成まではそんなに時間は掛からないそうな

 「さて、次の仕事は・・・」

 新技術の指揮取りはもうする事がないだろうから次の仕事をとメルヴァたちに尋ねようと思ったところで

 「マスター、聞こえますか?」

 まるんから<メッセージ/伝言>が飛んできた

 「聞こえるよ。なに?まるん」
 
 話によるとシャイナたちが偵察に行った村が野盗に襲われていたらしい
 でも最初は村人と接触しないと言う言いつけを守って見捨てるという話になったらしいけど、子供の涙に反応したシャイナが助けちゃったそうな
 まぁ、子供が居たのならシャイナに我慢しろと言うのは土台無理だよね、それがシャイナの弱点特性なんだから

 「マスター、この野盗たち、どうしたらいいと思う?」
 「そうだなぁ」

 話からすると村に置いておく訳には行かないみたいだしこっちで引き取るしかないか

 「メルヴァ、ギャリソン、シャイナたちが村を襲っていた野盗を捕まえたらしいんだけどこの城に入れるわけには行かないよね?」
 「そのような者たちがこの城に立ち入るのなら当然皆殺しにいたします」

 おいおい

 「いや、殺しちゃダメだって。シャイナが殺さないように捕まえたんだから」
 「メルヴァさん、シャイナ様とまるん様の御決定を無碍に扱うおつもりですか?」
 「あ、いえ、そんなつもりはありませんが・・・」

 空気を読んだギャリソンにたしなめられるメルヴァ
 ナイスホローではあるけど、この城はメルヴァたちにとっては神聖な場所みたいだし、この反応も解らないでもないんだよね

 そんな私たちのやり取りを聞いていたあやめが私と同じ考えに至ったのか、助け船的な提案をしてきた

 「とりあえず城の外に拠点創造でその野盗たちを収監する館を作ったら?」
 「うん、そうだね。あっまるん、ちょっと待ってね」
 「はい」

 そうだなぁ、<クリエイト・パレス/館創造>で野盗たちを収監する建物を作って

 「アルフィスに20人分の簡易ベット・・・いや、簡易2段ベットを10個作ってもらっておいて・・・囚人でも人権はあるからなぁ。この世界のことは解らないから、私の世界の法律に従って刑務所を作るとして・・・・」

 現実世界のことを色々と思い出しながら思考の海に漂う
 刑務所もどきではあるけど、久しぶりの建築物のデザイン設計につい、楽しくなってきてしまった

 「うん、こんな感じかな。あやめ」
 「はい」
 「私が今から簡単な図面を引くからその通り作ってね」
 「えっ?アルフィンが自分で作らないの?」

 確かに自分でも作れるけど

 「一応刑務所みたいなものだからね。壁を作るのなら私より精霊魔法とドルイドマジックを使えるあやめの方が簡単でしょ、それに」

 ちょっとした思い付きをメモとフリーハンドの簡易図面に起こしてあやめに伝える

 「こうした方が面白いでしょ」
 「なるほどぉ」

 建物自体は誰が作っても同じだろうけど、広範囲に壁を、それもあの仕掛けつきで作るとなると全部クリエイトマジックで作るより土を盛り上げ、それを削ったほうが早い
 そうなると私よりも精霊魔法とドルイドマジックが使えるあやめの方が向いている作業なのだ

 「後、これとこれに関してはあやめよりあいしゃの方が向いているでしょ。私から出かける時に頼んでおくからやってもらうといいよ」
 「うん、解ったよ 」

 これで収監する館に関しては問題ないかな

 「それじゃあ、あやめ、お願いね。あ、まるん、大丈夫だよ全員連行しても」
 「はい、では一応拘束してつれて・・・」

 まるんからの返答の途中で

 「アルフィン様」
 「あっ待って」

 ギャリソンが声をかけてきた

 「当初の予定とは違い、シャイナ様方が村に入られてしまわれたのであれば、アルフィン様が出向かれた方がよいかと思われます」
 「えっ行っていいの!?」

 ギャリソンは私があまりほいほいと出歩くのには反対だったはずだ
 とりあえず領主の館に出向くまでは

 「もうすでにシャイナ様方はこちらが別の国の者と名乗っていると思われます。ならばこれを気に都市国家の支配者としてのアルフィン様をお披露目し、そこで怪我をしているものたちを癒してよい評判を広げるのも一つの手かと思われます」
 「そうか、ならなるべく派手にしたほうがいいよね」

 と言うわけで、馬車を作っているあいしゃに声をかける

 「あいしゃ、馬車の方は後どれくらいでできる?」
 「あとはメルヴァが作ってくれた馬車の上部分をのせるするだけだから本体は10分ほどかなぁ? あと、ひっぱるアイアンホース・ゴーレムもいるんだよね?」

 確かに今居るものは騎乗用のものばかりだから、馬車を引かせるのなら馬車馬に適したアイアンホース・ゴーレムを作ったほうがいいだろう

 「この規模の馬車なら4匹くらいいた方がいいだろうね」
 「わかった、あともう10分ちょ〜だいね。それもいっしょに作っとくから」

 ゴーレム作成はドワーフであるあいしゃの得意分野だ
 これも下手に口を出さず、完全に任せてしまった方がいいだろう

 「さて、後は一応怪我人がいるかどうかを確認しなきゃね」

 怪我人を治すという理由で行くのに居なかったらそもそも行く意味がなくなってしまう

 「まるん、村人って怪我はしているよね?」
 「えっ?あっはい、怪我をしている人はいますよ。野盗に襲われたのですから」

 うん、ちゃんと怪我人はいるね

 「そうかぁ、なら私も一度そちらに出向くよ」
 「マスターがですか!?」

 驚いたようなまるんの声
 当たり前か、私が出向くのはメルヴァたちから止められていたのだから
 んっ?待てよ

 「まるん、なんか変な事考えているでしょ」
 「そっそんな事は無いよ!」

 さては私が言い訳を考えて無理やり村に行こうとしているとか考えてるな
 まぁ、私でもそう考えるから、まるんがそう考えるのも無理はないんだけど

 「別にこじつけで行く訳じゃないよ、ちゃんとギャリソンと話し合って決めたことなんだから」
 「あ、そうなんですか」

 ギャリソンと話をしたというと納得するのもなぁ
 さては私の事、まったく信用してないな
 まぁ、私自身信用できてないから(以下同文)

 「まぁ、詳しい話はそちらでするよ」
 「わかりました、お待ちしております」

 そこまで話をして<メッセージ/伝言>をきる

 「さて、都市国家の支配者として行くのだから服装とか装飾品も選ばないとね。メルヴァ、衣裳部屋のメイドたちにお姫様系のドレスをいくつか私の部屋に持ってこさせて。あと装飾品も」
 「ああ、それはここに居るメイドに任せますので、私もご一緒させてください」

 にっこりと言うか、何かを含んだ笑いと言うか、楽しそうな顔でメルヴァは私に同行を申し出た
 ふふふっ、あの顔は・・・

 「メルヴァ、さては私を着せ替え人形にして楽しむ気でしょ」
 「いけませんか?」

 私が意図を汲み取ったからだろう、断る訳は無いですよね?とでも言いたげな最高の笑顔で聞き返してきた
 う〜ん、まぁいいか、私が一人で選ぶより女性のメルヴァの意見を取り入れたほうが下品にならないだろうからね

 「いいわ。行きましょう」
 「御供させていただきます」

 私はメルヴァを従え、意気揚々と部屋に向かった

あとがきのような、言い訳のようなもの


 今回は色々と設定が出てきたのであとがきも長めです
 なので設定に興味がある方だけどうぞ

 今回は前回のB面のような話です
 実は前回のアルフィン側ではこんな話が展開していました
 今回の話を読んでもらうと、前回さらっと進んだ所でも行間で結構時間が経過しているのがわかりますよね

 結構な時間が経っていてもまるんの心理描写に出てこなかったのは、まるんが主人公のことを第一に考えているからいくら待たされても気にならないというのが理由になっています
 こういう点はオーバーロード本編に出てくるナザリックの面々と同じなんじゃないかな?
 これからもこのようなA面B面話はいくつかあると思うのですが、その時もこのような描写になると思います

 それと今回登場する馬車用ゴーレムですが、普通馬車を引かせるならゴーレムより騎乗動物系モンスターの方がよさそうですよね、その方がカッコよさそうだし
 ではなぜゴーレムを使っているのかと言うと、イングウェンザーには実は騎乗用モンスターがほとんどいないと言う設定だからなんですよ

 と言うのも、生産系ギルドのため戦闘に出ることが少なく、メインストーリーやクエストでの移動なら転移魔法や飛行魔法で事足りていただろうと言う考えなんです
 戦闘で使わないならコストのかかる騎乗用モンスターを持つ意味が無いのでうちには騎乗用モンスターはいないのでは?なんて考えた末の設定だったりします

 あっ因みに自キャラ6人はそれぞれ飛行のための手段を持ってます
 まぁ、転移に関してはシャイナとアルフィスが使えませんが

 次に館を作るために図面をひくと言う場面がありますが、これはユグドラシルでは色々なデザインをそのまま作ることが出来たようなのですが、それは多分サブモニターのようなものの上でデザインしたものがゲームの中でデザインとして反映されていたんじゃないかなぁなんて考えているんですよ

 でも、この世界にサブモニターなんてものはありません
 なので新しいものを作る時は頭の中だけでデザインや間取りを考えるより、実際に図面をひいたほうがリアルなんじゃないかなぁなんて考えてあの場面を作りました

 因みにアインズがweb版でやって見せたように、既存のものなら頭の中でこう作ろうと思えばクリエイト系の魔法で一気に作ることが出来ます
 あくまで新しいデザインの時だけデザイン画を書いたり図面をひかないといけない思ってもらえるとありがたいです

 最後に、今回はボッチプレイヤーの冒険を書き始める前段階に作ったアイデアメモの頃からある設定のいくつかを公開している内容になっています(当然ですが、まだかなりの設定が作ってあります)
 想定としてはこの設定が後々関係してくるような展開にしたいと今の所思っていますが、出てくるのは今のペースだとかなり先になるだろうなぁ

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